厚生労働省が先日はじめて公表した「国内で多く食べられている野菜のランキング」によると、1位ダイコン、2位タマネギ、3位キャベツと、皆さんおなじみの野菜が上位に並びました。生活習慣病等を予防し、健康な生活を維持するための目標値のひとつとして、野菜は1日350g以上摂取することが推奨されていますが、現在のところ日本人における野菜の平均摂取量は、男女とも300gを下回っている状況にあります。皆さんご存じのとおり、野菜は生の状態より、火を通すことでカサが軽減され、見た目もコンパクトになるので、多くの量を摂りやすくなります。目安としては、おひたしや煮物など小鉢2つ分くらいの野菜料理を毎食摂取したいところです。
さて今回は、日本人に多く摂取されているダイコンの栄養や効能について、ご紹介したいと思います。ダイコンの根の部分(白い部分)は、95%が水分です。ビタミンCと消化酵素(ジアスターゼやグリコシダーゼ)が豊富に含まれているため、食物の消化を助け、腸の働きを整える効果があり、胃もたれや二日酔いなどの解消にも効果的です。煮ても、おろしても(生)美味しいダイコンですが、ジアスターゼは熱に弱いので、ダイコンおろしのように生のまま食べるとより効果的と言われています。
一方、葉の部分は、カロテン、ビタミンC、カルシウム、食物繊維が豊富で、実は緑黄色野菜に分類されます。これは、緑黄色野菜がカロテンの含有量で規定されているためで、厚生労働省の基準では、可食部100gあたり、カロテンが600μg以上のものを緑黄色野菜としています。最近では、ダイコンの葉の部分が除かれた状態で販売されていることも多くなってきましたが、根も葉も両方食べることで栄養バランスがアップしますから、本当は葉の部分も処分せずに食べることがオススメです。そうは言っても、ダイコンの葉を使ったお料理はあまりなじみがないかもしれませんね。
簡単な食べ方としては、さっと炒めたダイコンの葉とちりめんじゃこを炊飯器でお米と一緒に炊き込む(醤油、みりん、酒を少々加える)と、いつもの白いご飯が上品な味わいの炊き込みご飯に変身します。ちりめんじゃこと一緒に炊き込むことで、日本人が不足しがちな栄養素であるカルシウムも手軽に摂取することができますので、成長期のお子様から骨の健康が気になる成人の方まで、家族の健康にも美味しい(嬉しい)一品となりますよ。
参考:からだにおいしい野菜の便利帳 板木利隆監修(高橋書店), 2015年9月2日 読売新聞