久ヶ原スイミングクラブ  

上級水泳教師北原道宏先生の「スイミングコラム」

幼児の心の発達

子供は小さな大人ではない
 子供の育て方や接し方でよく問題が起こりがちです。その際注意しておくことは、子供は大人を小さくしたものではなく、子供を絵画で例えれば絵を描く前の白紙のスケッチブック状態であり、その成長は毎回白紙に色を塗るようなもので、いつも真新しい経験としてその子の経験に加えられていくようなものという事です。たとえびっくりするようなおませなことを言ったとしても、大人の考えているような大意はなく、聞きかじりの言葉をおしゃべりしていると考えてよいと思います。

幼児の心の発達
 個人差がありますが、一般的に幼児は2歳の初めから自我が芽生え、反抗期となり、意思の発達を伴います。
 3歳では友達を求めるようになり社交性が芽生え、一人遊びから徐々にグループ遊びができるようになります。
4歳ころから遊び方が砂遊びや積み木遊びなど創造的になってきます。遊びを通して知能が向上し、認知、思考、洞察、創造力が発展してきます。特に仲間との遊びの中で自分の意見を言うことができ、他人からほめられることなどで自我が大きく育ちます。
5~6歳では自分らしさを認識し、自分に価値があるかないか(自己概念)を決めたりする時期なので、成功体験を多くして自尊心を傷つけないよう配慮する必要があります。

自主性を大切に
 幼児期に自主性や主体性を発達させることは重要で、独立心を尊重すると自主性が育ちやすくなります。世話の焼きすぎは自立心の発達を遅らせます。自主性は、好奇心により活発に動き回ることで楽しんだり、自分に何ができるかを試す行動などで育ちます。

世界に一つだけの花
 幼児期の成長過程は一人ずつ違います。自分を否定しないという心の発達が重要なので、大人は決して他の子供と比較せず、個人を否定しないように心がけましょう。一つ一つの体験は新しい経験の積み重ねですから、良い印象で学習するように個人差を重視して、個々人の成長に適したほめる言葉がけを心がけましょう。

スイミングは社交・教育の場所
 スイミングは水泳技術の習得、社交性の獲得、健全な発育発達の促進、水難事故の防止が主な目的となる場所になりますが、大人も子供も集う社交の場という意味では学校教育では代用ができない貴重な場所です。大いに活用をしていただければと思います。


平成28年8月吉日
北原道宏

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