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管理栄養士コラム

2015.11.20 夜遅く食べると太る?!~食欲の秋と賢い食べ方~

夜遅く食べると太る?!秋も深まり、食欲の秋到来ですね。秋の味覚と言えば、マツタケやさんま、柿、栗などの食材の他に、季節限定のお菓子なども続々と登場するので、秋は食べたいものがいっぱいで悩ましい季節でもありますね。さて、食欲の秋ということで、今回は「夜遅い食事は太りやすい」という現代人の永遠の課題?!について考えてみたいと思います。

体内時計の調整に重要なタンパク質「BMAL1(ビーマルワン)」

我々は、食事を摂ると体があたたまりますが、これは体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が体熱となって消費されるためで、食事をした後は、安静にしていても代謝量が増えることが知られています。この代謝の増加を食事誘発性熱産生(DIT)と言い、DITは朝が最も多く、夕方から夜になるにつれてだんだん少なくなるので、同じエネルギー(カロリー)摂取量でも、朝より夜の方が太りやすいと考えられています。さらに最近では、BMAL1(ビーマルワン)という、体内時計の調節に重要な役割を果たすタンパク質に注目が集まっています。BMAL1は、脂肪を作ってため込むための酵素を増やす働きがあり、時間帯によって増減することが日本大学薬学部の研究において明らかにされています。つまり、このBMAL1の量が多いほど脂肪がたまりやすくなるということです。細胞内のBMAL1量は、特に1日のうちの午後10時から午前2時頃が最高で、最も少ない午後3時の約20倍に達することが報告されています。このことからも、夜遅く食べることは、脂肪の蓄積を増進する可能性が考えられ、逆を返せば「夜遅い食事を避けることは、肥満防止につながる」有用な方法と考えられます。遅くとも夕食は午後10時前には食べ終えていたいところですね。

生活習慣の見直しと、食べ方の工夫を。

とはいえ、現代人の生活は不規則にならざるを得ない場面も多々あり、仕事をしていれば、周囲の状況に合わせなければならない場面に遭遇します。日常的にこなさなければならない業務に加え、期限内に終えなければならない仕事も抱え、夜遅くまで無理をして生活リズムが不規則になるのは仕方がない面も否めません。しかし、自分の健康は自分で守らなければいけないという意識も大切です。夜に食べる量を減らして朝食を食べる習慣を身につける、また夕食時間が遅くなることがわかっている場合には、夕方にパンやおにぎりなどをお腹に入れて、夕食時は野菜を中心としたおかずのみ食べるなど、工夫や努力も必要です。何事にも楽な近道はないので、やはり日々の生活習慣が健康を守る上でも重要なのだと思います。今までの習慣を見直しながら、気軽な気持ちで、できることから始めてみませんか?

参考:e-ヘルスネット
Shimba S, et al. Brain and muscle Arnt-like protein-1 (BMAL1), a component of the molecular clock, regulates adipogenesis. Proc Natl Acad Sci U S A. 23;102(34):12071-6.2005.

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