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管理栄養士コラム

2016.02.05 災害時の食生活とその備え

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震、東日本大震災から5年が経過しようとしています。みなさんは、いざという時に備えて、備蓄食品の保管・準備はしていますか。ライフライン(道路・水道・ガス・電気等)が寸断された場合、当面は加熱せずに食べられる食品や、レトルト食品の利用が便利です。ふたを開ければ食べられる缶詰は、味がついている(決まっている)ので、料理に使っても調味料入らずです。普段の食生活の中で、上手に使いながら補充(備蓄)する習慣をつけたいものです。備蓄するだけでなく、消費期限・賞味期限に注意して、毎年、日を決めて定期的に確認し、備蓄食品の入れ替えを行いましょう。

健康・栄養上における問題として、ビタミン不足に陥りやすくなりますので、ビタミンやミネラルを強化した栄養補助食品や、マルチビタミン剤などもあわせて保管しておくと良いでしょう。また避難所での食事は、食物アレルギーや慢性疾患等それぞれの疾患に応じた備蓄食料は少なく、不足することが予想されます。特に乳幼児や高齢者、食物アレルギーや慢性疾患を有する方は、災害に備えて、治療に必要な物品や食料を準備しておきましょう。

災害時は、脱水症のリスクが高まることが指摘されています。その要因として、規則正しい食事や水分摂取が難しい、トイレ設備が不十分であるために、食事や水分摂取を控えてしまうことなどが挙げられます。脱水症になると、水分だけではなく、ミネラルも失われるため、経口補水液の利用が有用です。経口補水液とは、体内で失われた水分や塩分などを速やかに補給できるように成分を調整した飲料のことで、水1リットル、砂糖40g、食塩3gで作ることができます(ペットボトルを使うと混ぜやすく、簡単に作ることができます)。感染症などで発熱・下痢および嘔吐を起こした場合も、脱水症状が起こりやすいので、経口補水液を利用すると良いでしょう。

被災する場所によっては、救助や避難物資が届くのに3日以上かかる場合も想定されます。自分や家族の安全を守るためにも、災害時に備えて平常時から食料を備蓄しておくことは大切なことです。ご家族で災害時の集合場所を確認しあったり、具体的にどんな準備をしておくべきか、一緒に考えてみてはいかがでしょうか。

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