久ケ原スイミングクラブ  

管理栄養士コラム

2018.09.13 質の良いトレーニングとバランスの良い食事

スポーツを楽しむ小中学生の皆さんにとって、日々のトレーニングはもちろん、質の良い食事と睡眠をとることはとても大切です。トレーニングをするときのエネルギーの源は食事で、体力づくりの基礎となるものです。しっかり練習に励んでいるのに、結果が出ない…もしかしたら、お食事の内容を見直す必要があるかもしれません。

質の良い食事とは、まず毎食、主食、主菜、副菜を毎食そろえること。主食(ご飯、パン、麺類など)は、炭水化物が豊富で、熱や力のもとになり、最後までばてず、持久力の高いからだをつくる上でもとても大切です。主菜は、いわゆるメインとなる肉、魚、卵、大豆製品を使ったおかずのことです。たんぱく質が豊富で、からだが成長する材料となるものです。小中学生の皆さんが大好きな肉だけでなく、魚や大豆製品も含めた、いろいろな材料のおかずを食べることが大切です。副菜は、野菜、海藻、きのこをつかったおかずで、からだの調子を整えるビタミン、ミネラル、食物繊維を摂ることができます。小鉢2皿以上摂ることを目標とすると良いでしょう。このほかに、果物や牛乳、乳製品もとりいれましょう。果物からは、水分とビタミン、ミネラルを摂ることができますし、牛乳・乳製品には、成長期のお子様には欠かせないたんぱく質やカルシウムが豊富に含まれています。試合や練習がある際のお弁当に入れたり、間のおやつ(補食)として食べると良いでしょう。

猛暑だった今年は、特に水分補給に気を配った方も多いと思います。運動パフォーマンスと水分補給は相関があるといわれていて、脱水が進むほどパフォーマンスが低下し、体重の1%の水分を失われたあたりから、運動パフォーマンスの低下は徐々に始まるといわれています1)。一方、適切に水分を補給した場合、運動パフォーマンスを維持・向上することも確認されています。主な脱水症状として、体重のおよそ2%の水分を失うと、のどの渇きを感じ、3%で強い渇き、ぼんやりするといった症状がみられます2)。したがって、のどが渇いた時点で、すでに体の脱水は進行しており、のどが渇いたと感じてからの水分補給では遅い可能性が考えられます。また飲んだ水分は、からだに吸収されるまでに時間がかかりますので、熱中症を防ぐためにものどが渇いたと感じる前の適切な水分補給が大切です。汗をかくと、水分だけでなく塩分も失われますから、“適切な水分・塩分の補給”も大切です。脱水量の多いときは、塩分を含んでいる飲料を選ぶと良いでしょう。日本体育協会2)では、運動中はスポーツ飲料などを利用して、0.1~0.2%の塩分(100mLあたりナトリウム40~80mg)を補給することを推奨しています。

最近では、強くなるためにサプリメントを摂る小中学生もいるようですが、遠征や体調不良時を除き、必要な栄養は食事から摂るように心がけてみましょう。

【参考資料】
1) 1) Yoshida T, Takanishi T, Nakai S. Relationship between Dehydration, Rehydration and Decreases in Exercise Performance During Various Sports in Hot Environments. Adv Exerc Sports Physiol . 8(3):71-76, 2002
2) 2) 日本体育協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」

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