久ケ原スイミングクラブ  

管理栄養士コラム

2022.05.10 スポーツをするお子様の栄養①

スポーツに勤しむ成長期のお子様にとって、栄養・食事はとても大切です。今回は、食事の役割やエネルギー摂取について考えてみたいと思います。

まずスポーツをする人における食事の役割は、①スタミナ・トレーニングのためのエネルギー補給;糖質・脂質の補給②からだづくりの栄養補給;たんぱく質、ミネラルの確保③コンディション維持・ケガの予防;ビタミン・ミネラル、脂質の確保④疲労回復;食べるタイミングなどが挙げられます。今回は①に関係するエネルギー摂取を中心に考えていきたいと思います。

エネルギー(カロリー)摂取については、お子様が運動をしている・していないに関わらず、体温を保つ、呼吸をする、心臓を動かすなど“生きる(生命活動を行う)ためのエネルギー”と“発育・発達のためのエネルギー”、この2つのエネルギーは不足しないよう確保する必要があります。継続的な運動をしていないお子様で、この2つのエネルギー量以上に食べ過ぎている場合は、食べる量の調整が必要となることがあります。一方、継続的な運動をしているお子様の場合、運動によって身体活動量が多くなり、エネルギーや必要な栄養量がさらに多くなるため、一日3食と補食を摂って食べる量を増やし、“運動で使うエネルギー”も確保しなければなりません。しかし、食べられる量には限界があるため、食の細いお子様にたくさんの運動をさせてしまうと、“発育・発達のためのエネルギー”が足りなくなってしまい、成長への影響も懸念されるところです。つまり、スポーツをする成長期のお子様のエネルギー摂取において、食事から摂取したエネルギーは、“生きる(生命活動を行う)ためのエネルギー”と“発育・発達のためのエネルギー”に使われ、さらに余裕がある場合、“運動で使う(運動に使える)エネルギー”、つまり運動をすることが出来る、と考える必要があるのです。成長期のお子様にどのくらいの運動をさせるかは、発育・発達の観点から、また食べられる量に限界があるということから、運動でエネルギー不足にならないように調整する、運動で消費し過ぎないことがとても大切なのです。

では次回は、成長期のお子様が必要なエネルギー量、どれくらい食べれば良いかの考え方について解説したいと思います。

【参考資料】 鈴木志保子『理論と実践 スポーツ栄養学』(日本文芸社)

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