久ケ原スイミングクラブ  

管理栄養士コラム

2022.07.08 スポーツをするお子様の栄養②

スポーツに勤しむ成長期のお子様にとって、栄養・食事はとても大切です。今回は、成長期のお子様が必要なエネルギー量、どれくらい食べれば良いか(推定エネルギー必要量)について考えてみたいと思います。

成長期のお子様の食べる量[推定エネルギー必要量(kcal/日)]は、 基礎代謝量(kcal/日)×身体活動レベル+エネルギー蓄積量(kcal/日) で計算します。

“基礎代謝量(kcal/日)”とは、安静時に必要なエネルギー量で、体温を保つ、呼吸をする、心臓を動かすなど、様々な生命活動を行うために必要なエネルギーです。基礎代謝量は、「基礎代謝基準値①(体重1kgあたりの必要なエネルギー量:kcal/kg/日)×体重②」で求めることができます。そして人が活動するためには、“基礎代謝量(kcal/日)”に加えて、活動するためのエネルギーが必要で、“基礎代謝量(kcal/日)”に“身体活動レベル③”を乗じて一日に必要なエネルギー量(推定エネルギー必要量)を算出します。さらに成長期のお子様の場合、からだを成長させる(自己の成長に必要な組織増加)ためのエネルギー(エネルギー蓄積量④)が必要なのです。そのため成長期のお子様の食べる量(推定エネルギー必要量)を決めるには、生命活動をするためのエネルギーと活動するために必要なエネルギーに加え、成長するためのエネルギー(エネルギー蓄積量)を追加する必要があります。この成長するための“エネルギー蓄積量”は、ほとんどの人の場合、18歳以上では必要ありません。

それでは下記の表を参照して、実際にお子様に必要なエネルギー量を計算してみましょう。お子様に必要なエネルギー量(推定エネルギー必要量(kcal/日))は、①基礎代謝基準値(表1)②体重③身体活動レベル(表2)④エネルギー蓄積量(表3)を使って算出することができます(下表参照)。

例えば、10歳、女子、体重36kg、身体活動レベルふつうの場合 34.8 ✕ 36 ✕ 1.65 + 30 ≒ 2,100 (kcal/日) お子様の場合、身体はおとなより小さいけれど、必要なエネルギー量、つまり食べる量はおとなより多い場合もあることを念頭に置く必要があるのです。

1日に必要なエネルギー量(食べる量)がわかったので、次回は身体づくりを考えるうえで大切な食事のバランスについて、考えてみたいと思います。

【参考資料】 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年版) 食事実践ガイドブック_本編(https://www.pref.chiba.lg.jp/annou/shokuiku/documents/honpen2.pdf)

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